支部結成に引き続き、支部を束ねる本部・総支部の布陣も整っていった。次第に学会も幹部が官僚主義に陥っていることを憂慮。広布模範の地、奄美大島へ激励行。
先生が師弟不二を最も重要視されるのは、ここにあると思います。
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伸一は、もっと重要な課題があることを痛感していた。
それは、殉難をも恐れず、民衆の幸福と人類の平和に生涯を捧げた、牧口常三郎と戸田城聖の精神を、いかにして永遠のものにしていくかということであった。
彼は、学会が発展するにつれて、幹部のなかに、その精神が希薄になっていきつつあることに、憂慮を覚えたのである。
たとえば、学会のため、広宣流布のために、自分が何をするかではなく、できあがった組織の上に乗っかり、学会に何かしてもらうことを期待する幹部が出始めていることを、彼は感じとっていた。
また、学会のなかで、より高い役職につくことが、立身出世であるかのように勘違いし、いわゆる“偉くなる”ことに執心し、人事のたびごとに一喜一憂している者もいた。
名聞名利の心をいだき、自分のために学会を利用しようとするような者が幹部になれば、会員が不幸である。やがては、学会自体が蝕まれ、内部から崩壊していく要因となることは必定である。
伸一は、未来の大発展のために、この兆候の根を断ち、まず幹部の胸中に、学会精神をみなぎらせることから始めようと、密かに決意したのである。
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『学会の発展のためには、まず会長である私自身が、しっかりしなければならん。私自身が自分を教育し、磨いていかねばならんと思っている』と言われた。
そのうえで、同様に、各組織にあっては、幹部がしっかりしなければならないと、指導してくださった。つまり、戸田先生は、ご自身のまた、幹部の“自己教育”ということを、叫ばれた。これは、先生の遺言です。常に“自己教育”していける人でなければ、本当の幹部とはいえません。
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学会活動について、
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折伏にせよ、あるいは会合の結集にせよ、勝とうと思えば、目標を立て、決意を定め、真剣に唱題に励むことから始めなければならない。さらに、知恵を絞って、勇気をもって挑戦し、粘り強く行動していく以外にありません。
そして、一つ一つの課題に勝利していくならば、それは、大きな功徳、福運となっていきます。また、何よりも、それが人生に勝つための方程式を習得していくことになる。さらに、活動を通してつかんだ信仰への大確信は、人生のいかなる困難をも切り開いていく力となります。
御書には『仏法と申すは勝負をさきとし』と仰せです。それは、広宣流布とは、第六天の魔王という生命破壊の魔性との戦いであり、さらに人間が生きるということ自体が、人生そのものが戦いであるからです。
人間の幸福といっても、自分の臆病や怠惰などの弱さと戦い、勝つことから始まります。人間革命とは、自己自身に勝利していくことであり、そのための、いわば道場が、学会活動の場であるともいえます。
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“本部、総支部など、組織の布陣は着々と整いつつあるが、そこに魂を吹き込むのは精神の布陣である。戸田先生の精神を受け継ぎ、常に「師はわが胸にあり」と言い切れる、まことの“師子”が勢揃いする日が、先生の七回忌でなければならない”
彼は先駆けの走者として、ただ一人、力走に力走を続けた。後に真正の同志が、二陣、三陣と続くことを信じて。
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