2016年5月20日金曜日

中国文明史余話 ~春秋の衛編~

衛は現在の河南省の一部を治めていた小国。戦国七雄以外の国で、秦に統一される直前まで残った長命な国。

ここであげられているのは二人

・石碏
・遽瑗(遽伯玉)


石碏は先君の意志をよく守って、いざというときに我が子をも殺した忠義の人。

大義、親を滅す

と後々まで讃えられた。



遽伯玉は孔子の友で孔子からも讃えられた人。

常に反省を忘れない有徳の大夫であった。




衛で一番印象に残ったのはこの二人というより、むしろ、この二人にも流れている名君、武公の精神。今でも切磋琢磨という言葉が残っているくらい有名です。


匪たる君子あり

切るが如く磋るが如く

琢つが如く磨くが如し



と臣民の方から詩をつくられるくらい慕われたそうです。

驚異的な努力で才徳を高めつづけて君主の理想像とされる人物。こんな君主がいたのですね。実に衛が最後まで国を存続しえたのもこの精神がどこかしらに脈打っていたのではないでしょうか。

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