2016年5月24日火曜日

中国文明史余話 ~戦国の趙編~

戦国も末期に入るころに恵文王という名君が現れ、趙は遅い黄金期を迎えた。三人は共にその王によって大抜擢され執政まで登った人たちである。


・藺相如(リンショウジョ)
・廉頗(レンパ)
・趙奢(チョウシャ)


藺相如が宦官長の家人で、趙奢が地方の税務役人であったことを考えれば、恵文王がどれだけ身分に頓着せず広くから人材を求めていたかが伺えます。その中で、キラ星の如く登場した三人も本当に気持ちの良い人たちです。

既に秦による天下統一の動きが活発化する中で、超大国秦を恐れず、勇気で超の国威を守り抜いたのはすごいです。


この三人、いずれも胆力と勇気を共通語にしたいです。

それを支えていたのは、その能力を見抜き任せることのできた、まぎれもない恵文王の力(忍耐力)です。以下、著者の恵文王を褒める言葉から、三人を大抜擢した名君を偲びたい。

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恵文王の忍耐力は非凡であり、自身の決断を後悔しない精神のありかたはみごとであるというしかない。

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人を敦尚するという恵文王の思想が血のかよった政治を実現し、王朝の風通しをよくしたといえるであろう。

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恵文王は怒りたいときに怒らず、泣きたいときに泣かず、自制心と忍耐力にすぐれていた。

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「菜根譚」の条文にはこれを引用します。


第125条
  欲心の本体を認識(悪魔を照らす玉)そして忍耐力(悪魔を斬る剣)が必要。

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