2016年5月27日金曜日

「新・人間革命」12巻 新緑の章

1967年5月3日、会長就任7周年を大勝利で飾った伸一は、気を緩めることなく一瞬一瞬を激励にあてる。13回目の海外訪問へ。ハワイ、ロサンゼルス、ニューヨークとアメリカを回り、そのままフランス、イタリア、スイス、オランダとヨーロッパへ。海外も本門の時代へ第二幕を迎える。青年が若芽のごとく育っていることに喜びを覚えるのだった。


まず、現代文明への達観、

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現実社会のかかえる問題を直視し、その解決に取り組んでいくなかにこそ、仏法者の真実の生き方があるからだ。
「現代の思想家、知識人が憂えている文明の行き詰まり等の問題は、究極的には、人間性喪失、すなわち、人間疎外の問題であります。
これは、物質文明、機械文明の目覚ましい発達に比べて、精神文明が立ち遅れ、人間が主体性を失い、生命の尊厳を忘れたゆえであります。
その幾つかの局面をあげてみますと、まず、生活のあらゆる部門が機械化され、人間は機械に従って動いていればいいような、機械が主人で、人間が家来といった関係になってしまった。企業等でも、機械化、合理化のために、労働者が首を切られるという現象も起きております。
また、いわゆる官僚機構に見られるごとく、組織が膨大となり、人間一人ひとりは、その歯車にすぎなくなってしまっております。そこでは、組織それ自体が巨大なメカニズムとなり、個人の意思を超えて動き、個人は言い知れぬ無力感と虚無感に覆われている。
さらに、マスメディアによって、情報、ニュースが、洪水のように流されるなかで、現代人の多くは、ただ、それを受け取るだけになっているというのが、悲しき現状であります。
そうした状態が続くうちに、自分から意欲的に主体性をもって働きかけるよりも、いつも何かを待っているような、受け身的で消極的な、弱々しい精神構造になりつつあるといえます。また、生き方、考え方の確固たる基準がないところから、理性的な判断に欠け、その場、その場で、衝動的、本能的に行動してしまう傾向が強くなってきている。

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数々の御指導、

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組織といっても、あるいは運動といっても、それを支えているのは、一人ひとりの人間である。その人間が一念を転換し、使命に目覚め立ち、最大の力を発揮していくならば、すべてを変えることができる。

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人生の勝利の姿は、地位や名誉を手に入れたかどうかで決まるものではありません。最後は、どれだけ喜びをもって、はつらつとした心で、人生を生き抜いたかです。

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真剣――この二字のなかには、すべてが含まれる。真剣であれば、勇気もでる。力も湧く。知恵も回る。また、真剣の人には、ふざけも、油断も、怠惰もない。だから、負けないのである。そして、そこには、健気さが放つ、誠実なる人格の輝きがある。

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人生の道は、人それぞれであり、さまざまな生き方がある。
しかし、広宣流布の大使命に生き抜くならば、いかなる道を進もうが、最も自身を輝かせ、人生の勝者となることは絶対に間違いない。

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「若い世代を育成するための要諦というのは、なんでしょうか」
言下に、伸一の答えが返ってきた。
「後輩を信頼し、尊敬することです。信心して日が浅いからとか、年齢が若いからといって、自分より下に見るというのは間違いです。そして、自分以上の人材にしようという強い一念をもち、伸び伸びと育てていくことです。

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ともあれ、学会活動で苦労した分だけ、自分自身の生命を磨き、宿命を転換し、福運を積み、幸せになることができる。ゆえに、学会活動は、断じて守り抜かねばならない、自身の人間としての権利なのである。

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リーダーというのは、神経を研ぎ澄まし、一つの事故を戒めとして、敏感に対処していかなくてはならない。そうすれば、大事故を未然に防げる。

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信心をして小さな功徳を受けるのはたやすい。しかし、宿命の転換という大功徳を受けることは容易ではない。宿命を形成してきた自身の心、性格を見つめ、生命を磨き、人間革命せずしては、宿命の転換はないからだ。
そして、それには、自身の広布の使命を果たし抜いていくことだ。決定した信心に立って唱題に励み、障魔と戦い、悪を打ち砕いていくことだ。

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平和は与えられるものではなく、権力の魔性、人間の魔性と戦い、打ち勝たなければ、手に入らないものであることを痛感していた。

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困難に直面した時、逡巡し、立ち止まるか。勇気を奮い起こして突き進んでいくか――それが、すべての勝敗を決する要諦といえよう。

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子どもは、日々、親の姿、生き方を見て、信仰への理解と共感を深めていく。ゆえに、親自身が、いかなる困難にも負けない強さや明るさ、人への思いやりなど、人格の輝きを増していくことが大切であり、それが、仏法の偉大さの証明となる。
ともあれ、子どもに信心を継承していくことは仏法者としての親の責務であり、そこにこそ、真実の愛があるといえよう。

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人生の戦いというのは“もうだめだ”と思ったところから、どう立ち上がっていくかにある。そこから、本当の勝利への飛翔が始まるんだ。

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先生からの激励を直接頂いた気分である。今の苦しみを必ず乗り越えて広布に生き抜いてみせる。そう決定した唱題からまた今日も一歩を。

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