越で挙げられている人は
・范蠡
で、かなり有名です。過去から積み上げてきたこの人のイメージをいうと、
淡泊で引際の絶妙な、世間的には最高に成功した人
です。内心はしるべくもないので、この時代に最も成功した人とのイメージが強いです。
呉と越の戦いは国語の漢文の教科書にもなるくらい有名ですので、改めて紹介しません。「臥薪嘗胆」といえばお分かりかと思います。この嘗胆の越王勾践を軍事的に補佐したのが范蠡です。よく時を見極め、呉王夫差への復讐を成し遂げ、呉を滅ぼしました。
ここからは、著者の言葉を借りて范蠡の意中を探ってみたいと思います。
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范蠡はこれまでの呉越の戦いをみてきて、内実が復讐に終始しており、果てしがないことを実感した。いま勾践が出師すれば、かならず勝てるであろうが、ふたたび夫差に怨みを植えつけ、数年後には復讐される。范蠡はそういう戦争を終わらせる戦いがしたいのであり、そのためには天意をうかがい、天意に従う必要がある。
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越王という人は、患難をともにすることはできますが、楽しみをともにすることはできません。
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このように、時を見極め、非常に富貴に対して淡泊であり続け、財をなげうっては財をなして、天寿を全うしました。稀に見る成功者です。
「菜根譚」の以下二つの条文が彼にぴったりです。根底は「淡泊」たれ。
82条に至っては現在の私のマイテーマでもあります。
第141条
過失は一緒に責任をとり、手柄は自分ではないよう振舞え
苦労は共にし、快楽は共にしないように
第82条
竹林に風が吹いて騒がしいが、風がなくなると音がない雁が岸辺を飛んでいくが、雁去れば影がない
事柄が起きたらそれに即応し、事が去ればサラリとする
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