2016年5月25日水曜日

中国文明史余話 ~戦国の燕編~

燕は大国とばかり思っていたイメージが少し違いました。戦国期は斉の勢力が強く、実情は斉の属国のようになっていたようです。その燕を一躍スターにした二人がいます。

・蘇秦(ソシン)
・楽毅(ガクキ)

蘇秦は、戦国が合従連衡の時代と言われる合従の方を唱えた先駆者。連衡の張儀と並んで同じ鬼谷子に学んだ同門ということで、エピソードとして欠くべからざる人物です。

楽毅は、後の世の劉邦や諸葛孔明が尊敬したというほど徳の高い軍師。蘇秦の策謀と楽毅の徳によって燕は一躍、斉をあわや滅亡というところまで追いつめます。70余城を落とし、残り3城というところで主君が没し、よくある話で暗君のために亡命します。

これだけ有名な二人ですが、末路は違いがあります。その差は才能をどのように使ったかだったのではないかと思います。蘇秦は自分の亡骸まで策謀に使い、車裂の刑になります。楽毅はあの黄金時代の趙で礼遇されて亡くなりました。



「菜根譚」のこの条文で二人の違いを現したいと思います。


第139条
  徳は才能の主人であり、才能は徳の下僕である。
  才だけあって徳がないのは、丁度家に主人がなく、
  下僕が切り盛りしているようなもので化物が出る。




もう一つ、楽毅のところで亡国の条件、五尽について、

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①約束したことを守らない ・・・『信』が尽きる
②人を正しく誉めない   ・・・『名』が尽きる
③臣民を愛さない     ・・・『親』が尽きる
④食料がない       ・・・『財」が尽きる
⑤人を用いない      ・・・『功』が尽きる

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あっ 菜根譚含め④以外全てうちの会社のことでは・・・ 

財が尽きると亡くなるのか・・・ さもあらん・・・


楽毅はぜひとも長編で読んでみたくなりました。

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