2016年5月15日日曜日

「新・人間革命」7巻 文化の華の章

1962年10月22日、アメリカのケネディ大統領は、キューバにソ連の攻撃用ミサイルの発射基地が建設されていると演説。米ソ間の緊張は一気に高まったが、直接の対話こそなかったものの、意見交換の形で米ソ両首脳は破局による核戦争の勃発を免れ、キューバ危機は回避とともに、米ソの緊張緩和へと動いていった。そんな折、300万世帯という民衆平和勢力を達成した学会のリーダー、伸一のもとにケネディ大統領との会見の話がもたらされる。

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平和を望みながらも、相互不信に陥り、反目し、憎悪し合っているのが、世界の現実です。では、どうすれば、核戦争をなくしていくことができるのか。その本当の解決の道は、仏法による以外にありません。
仏法は、一切衆生が皆、仏であると教えている。万人に仏性があり、自分も相手も、仏の生命を具えていると説く、仏法の生命哲学こそ、人間の尊厳を裏付ける大思想です。その教えが流布されるならば、必ずや、戦争を防ぐ最大の力となります。
また、誰でも信仰に励み、実際に、仏の生命を湧現していくならば、破壊や殺戮に走ろうとする、自身の魔性の生命を打ち破ることができる。
悲惨な核戦争の根本原因は、“元品の無明”という生命の根源的な迷いにある。この無明の闇から、不信や憎悪、嫉妬、あるいは、支配欲、殺戮の衝動など、魔性の心が生じる。
この“元品の無明”を断ち切り、“元品の法性”という、真実の智慧の光をもって、生命を照らし、憎悪を慈悲に、破壊を創造に、不信を信頼に転じゆく力こそが、南無妙法蓮華経であります。また、それが人間革命ということです。

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あくまでも、自身の魔性の生命としているところに注目すべき点があると思います。大宇宙をも包み込む自分自身の一念の中の心の一凶を打ち破れば、それが全体に波及して戦争はなくなっていくのです。そして、魔性の生命もまた、生命の実像であり、間断なく戦っていくことこそ平和実現の能動的解決法です。


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彼ははやる心を抑え、一歩一歩、堅実に、民衆の大地に根差した大哲学運動を展開することに最大の力を注いでいた。
伸一には、時流の変化で消え去る、砂上の楼閣のごとき平和運動を踏襲するつもりはなかった。
彼は、戦争の絶滅という人類史の課題に、真っ向から挑むために、五十年、百年後の平和の堅固な礎を築こうとしていたのである。

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