布教の波は加速していった。もっとも貧しく、苦しんでいる人を蘇生させながら。会長就任2周年にして、300万世帯まであと一歩にせまったのだった。
御書を研鑽する時の姿勢について、
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彼は講義に際して、深夜まで御書を拝し、研鑽することも少なくなかった。
御書に仰せの一つ一つの事柄や時代背景を正確に認識するために、関連した御書や法華経、一般の歴史書もひもといた。
また、講義で強調すべきポイントは何かを考え、皆がより明快に理解できるよう、どこで、いかなる譬えやエピソードを引くかにも心を配った。
さらに、戸田城聖の講義や講演、論文、あるいは、戸田の指導を記したメモなどを読み返し、その御文に関する恩師の指導も確認していった。
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宗教の目的について、諸次元との関係性について、
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学会の広宣流布の運動は、単に自分個人の苦悩の解決だけに終わるものではない。一人ひとりが広く社会に目を開き、人間の勝利の時代を建設していくことにある。つまり、仏法を根底にした、平和社会の建設であり、世界に真実の人間文化を開花させることに、通じていかなくてはならないだろう。真実の宗教は、自分の精神の救済にのみとどまるものではない。個人を覚醒させ、社会的使命の自覚を促すものだ。
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今の日本の不幸は、民衆を幸福にし、恒久平和を建設していくための、確固とした理念、哲学がないことです。生命の尊厳を裏付ける哲学もなければ、慈悲の思想もない。人間の生き方や根本の勝を教える哲理を見失い、精神の骨格なき社会になってしまっております。
ゆえに、政治にせよ、経済にせよ、あるいは教育にしても、確かなる展望が開けず、迷い、揺れているというのが現状です。今は経済的に豊かにはなりつつありますが、このままでは、やがて、精神は荒廃し、政治も、経済も、教育も、すべての面で行き詰まらざるをえません。
その日本の国を救う、精神の骨格、大理念、大哲学となるのが日蓮大聖人の仏法であると断言したいのであります
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山本伸一は、経済ばかりが先行し、人命を守るという最も肝心なことが見失われつつあることが、心配でならなかった。
経済を至上の価値とし、利潤の追及に狂奔して得られるものは、人間の真実の幸福とはほど遠い、砂上の楼閣のような、虚構の繁栄でしかないからだ。伸一は、人びとの精神が蝕まれ、拝金主義に陥り、殺伐とした心の世界が広がっていくことを恐れていた。
国や社会の豊かさ、文化の成熟度は、単に物質的な側面や経済的な発展だけで推し量ることはできない。人命や人権を守るために、どれだけの配慮があり、いかなる対策が講じられているかこそ、実は最も根本的な尺度といえよう。
そして、人命、人権を守る国家、社会を築くには、生命の尊厳という理念、哲学が絶対の要請となる。
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これこそ、つい最近読んだ「経済は、人類を幸せにできるのか?」で学んだ私なりの結論だったではないか。すごい、池田先生は既に何十年前には見抜かれていたのだ。
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