ハワイからアメリカ本土へ舞台を移し、最初に踏んだアメリカの地はサンフランシスコだった。
この地で戦後結ばれた不平等な安全保障条約の改定をめぐり、日本は騒然としていた時代である。世界は冷戦の時代に突入していた。そんな中、ここでも地道に徹して、一人を大切にしながら、地区が結成されていったのである。
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民衆の力ほど強いものはない。民衆の力は大地の強さに似ている。ひとたび怒りのマグマを噴き上げ、振動を開始すれば、山をも動かすエネルギーをもっている。時代、社会を変えゆく源泉は、常に民衆であることを忘れてはならない。
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ソ連国民も、アメリカ国民も、皆、平和を欲していた。しかし、米ソの指導者の間には、互いに不信感という越え難い心の溝が、根深く横たわっていたのであろう。それがスパイ飛行という行為を生み、その発覚によって、互いの疑心暗鬼が露呈され、平和への流れは逆流し始めたのである。
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そう、大きな戦争に入る前には必ず、相互不信があり、その芽を摘み取っていくのが対話の力だ。民衆同士で対話をしよう。対話をしていこう。
さて、現実の安保問題について、先生は明確に方針を残して下さっている。最近もこの問題で学会内でも騒ぎがあったが、先生はもう先手を打たれていたのだ。
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青年部の君たちの間でも、これだけ意見が食い違う。一口に学会員といっても、安保に対する考え方はさまざまだよ。反対も賛成もいる。そして、どちらの選択にも一長一短がある。それを、学会としてこうすべきだとは言えません。私はできる限り、みんなの意見を尊重したい。大聖人の御書に、安保について説かれているわけではないから、学会にも、いろいろな考えがあってよいのではないだろうか。政治と宗教は次元が違う。宗教の第一の使命は、いっさいの基盤となる人間の生命の開拓にある。宗教団体である学会が、政治上の一つ一つの問題について見解を出すのではなく、学会推薦の参議院議員がいるのだから、その同志を信頼し、どうするかは任せたいと思う。
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そして先生の激励の姿勢を、
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伸一は、こうした一瞬一瞬の時を、決して疎かにはしなかった。戦いの勝敗も、いかに一瞬の時を生かすかにかかっている。友への励ましにも、逃してはならない「時」がある。
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信心はしていなくとも、人格的に立派な人はたくさんいる。そうした人たちの生き方を見ると、そこには、仏法の在り方に相通じるものがある。また、逆に信心はしていても、同志や社会に迷惑をかけ、学会を裏切っていく人もいます。
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最後に、学会の地区について、
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地区というのは、一人ひとりに直結した前線基地であり、そこには、日常の活動の、いっさいの機能が備わっています。皆、地区を中心に活動し、地区のなかで育まれてきたといえます。
学会を一つの果樹園にたとえれば、ちょうど、果樹にあたるのが地区であり、果実が皆さん方です。果樹がなければ、果実は実らない。果樹にすべてはかかっています。創価学会といっても、その本当の母体は一つ一つの地区であり、地区の姿それ自体が学会であるといっても過言ではありません。
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“先生!伸一は、先生のお言葉通り、新世界の広布の扉を開きました”
降り注ぐ太陽の光を浴びて、彼の顔は金色に燃え輝いていた。
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