2016年6月4日土曜日

仏法と歴史 ~ジョン万次郎編~

5/29~6/3まで4日間、池田先生は聖教新聞ジョン万次郎を紹介してくださいましたね。大学時代に四国一周旅行に回ったとき、銅像を見て、漂流した人だとは記憶していましたが、いつの時代の人で、具体的な事跡についてはよく知りませんでした。

これを機会に、先生が若かりし頃に読んだという井伏鱒二氏の短編小説・「ジョン万次郎漂流記」と、短編では物足りず童門冬二氏「ジョン万次郎」を通読しました。

明治維新の坂本竜馬や勝海舟と同時代人だとは、幕末好きを呼称していながら知りませんでした。咸臨丸で条約批准のためアメリカに渡った時も通訳で同行していたとは。「新・人間革命」にて、池田先生が1960年にアメリカ初訪問されたときに、丁度100年前の1860年のこの日の出来事を感慨深く述べられていましたが、この時にサンフランシスコまでは彼も来ていたのです(咸臨丸の補修とかでワシントンには行かなかったとのこと)。


聖教新聞「新・人間革命」より、

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強き向上、向学の一念があれば、人生のいかなる逆境も、最高の学びの場となる。

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万次郎は、常に希望を捨てなかった。行く先々で、その時に自分ができることにベストを尽くした。だから活路が開かれたのだ。

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自分に力もなく、立身出世や保身に執着する者ほど、胸中で妬みの炎を燃やす。大業を成そうとする英傑は、嫉妬の礫を覚悟しなければならない。
人間は、ひとたび嫉妬に心が冒されると、憎悪が燃え上がり、全体の目的や理想を成就することを忘れ、その人物を攻撃、排斥することが目的となってしまう。そして、さまざまな理由を探し、奸策を用いて、追い落としに躍起となる。
国に限らず、いかなる組織、団体にあっても、前進、発展を阻むものは、人間の心に巣くう、この嫉妬の心である。

(中略)

大事なことは、その心を超克する、人間革命の戦いだ」

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報恩は、古今東西を問わず、普遍的な人間の規範といえよう。

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「ジョン万次郎」より、

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貧しさと、貧しさからくる辱しめとの二重の敵と、万次郎はいつも闘ってきた。その戦いが万次郎を強くした。大抵のことにはびくともしない性格の強さを、土佐の厳しい条件が万次郎に与えていた。

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帰れる日まで、できるだけこの国のいいところを学んで、日本に持ち込もう、と思っていたのである。

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りこうな万次郎は、表面は民主的で自由なアメリカの、隠された部分を鋭く見抜いた。しかし、その恥を、何とかして無くそうとつとめている、ホイットフィールド船長のような立派な人がいることも、正しく認めた。

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(したいことをすべきだ。)という考えは、万次郎にとっては、実に新しい考えだった。個人が自分の考えどおりに生きる、ということは、日本では、あまり許されないわがままなのである。

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(大きな船が自由に造れるからだ。そして、どこの海へでも出ていけるからだ・・・・・・)という、アメリカやヨーロッパの、海に対する考えかたの違いなのだ、ということが強く感じられた。

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本当は人間の冒険心は純粋で美しく、また、それが人間生活にいろいろな新しい便利をもたらすものだが、この冒険心に、ときどき、裏があることがある。
それは、冒険によってお金を儲けようとすることだ。

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人間には、やはり、生きる場所というものがあるらしい。力が思いきり発揮できるところにいないと、逆にだめになってしまうのだ。

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いま、何かをしていないと、わたしの冒険心がだめになってしまうような気がするのです。

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準備を全部整えてから仕事にかかる、というのが、万次郎のやりかただったのである。

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ものごとの始まりはいつもそうである。始まってしまうと、意外とあとの収穫のスピードが速いものなのである。

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「アメリカでくらして、一番頭のなかに残ったことはどういうことか?」
万次郎は、すぐさま答えた。
人間に、身分の高い、低いということがないことです。」

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万次郎は、英語に限らず、学問の勉強にひとつの考えを持っていた。
それは、「学ぶ気がなければ、何を教えたってだめだ。」という考えである。

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今の日本の動きかたに非常に不満だった。みんなが一生懸命に国のことを思っているのはわかる。政府を替えるのもいいだろう。
しかし、いったい、誰のために、何のために替えるのだろう?その“誰のために”ということを討議する人が一人も出てこないのは、どういうわけだろう。

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新しい日本が考えなければならないのは、日本の国民全部の幸福だ。一部の人の幸福ではない・・・・・・

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徳川幕府が倒れて、新しくできた明治政府は、日本をヨーロッパの国々の経済や文化水準に追い付かせようと必死になった。
「まず、国を富ませることだ。」
と考えて、日本の工業化に大きな力を注いだ。そのかわり、国民を富ませることを忘れてしまった
「国民にはなにも知らせる必要はない。ただ、政府に頼らせておけばよい。」
という当時の考えは、その後もずっと続く。

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そう、創価学会は冒険心をもって、強く賢い世界民衆勢力を築きあげるのだ!

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